Seiwa Nishida
Posted by Seiwa Nishida
on 2022/08/24 4:31:00

翻訳だけでは不十分?ローカライズにおけるLQAの重要性とは?

この記事は、記事の後編です。前編はこちら

ゲームローカライズの世界。失敗しないローカライズをするには?

前回はゲームローカライズの中でも、翻訳の部分を中心にお話ししました。今回は翻訳が終わった後に行う、ローカライズ版のテストについて掘り下げて行きたいと思います。

ーローカライズ版のテストとは具体的に何をするのでしょうか?

ローカライズの最終段階として、ローカライズ版のテストを行っています。これは、翻訳したテキストが実際のゲーム内で、どのように見えるかを確認する作業です。完成した翻訳を開発者に渡し、開発者がゲームに実装した後、このプロセスが始まります。

テスターには、ゲームのテスト版にアクセスしてもらい、すべての画面をひとつひとつチェックしてもらいます。翻訳したテキストが正しく表示されているか、ボタンからはみ出ていないか、ゲームの文脈に合っているか、などを確認します。

開発者がゲームに直接アクセスできない場合は、スクリーンショットを使います。ゲームが特定のプラットフォーム、例えばSwitchの場合、ローカライズに携わったテスター全員がSwitchにアクセスしてゲームをプレイできるとは限りません。その場合、スクリーンショットを確認し、テスト結果のレポートを作成することになります。

テストが終わるころには、ローカライザーが発見した問題点やバグをまとめたレポートが開発元に届きます。問題がある場合は、ローカライズプラットフォーム上で翻訳を修正し、更新した翻訳ファイルを開発者に送ります。

ーローカライズテストを行わないとどうなるのでしょう。

テキストがボタンや吹き出しからはみ出していたりすると、ローカライズテストをしていないということがすぐにわかります。

もう1つは、ゲームの文脈にあっていない翻訳ですね。例えば、同じ戻るボタンでも、ゲームの前のステージに戻るのか、別のステージに戻るのか。ゲームの文脈を理解していれば、きちんと翻訳できたはずなのに、結果として同じように戻ると訳してしまう場合ですね。その結果、戻るボタンが2つも並んでしまい、プレイヤーを困惑させてしいます。

あと、キャラクターが話している言葉と字幕があっていないこともあります。「友達と遊びに行く」と話しているのに、字幕では「ご飯を食べに行く」となっているというような場合です。

ーナレーションのチェックもローカライズテストでできるのですか?

基本的にローカライザーは、字幕が原文と対応しているかどうかをチェックします。ただナレーションの場合は、すでにゲームに実装されていないと発見できません。

ゲームローカライズだけでなく、映像のローカライズでも起こることです。吹き替えは、字幕とは少し違ったアプローチが必要です。字幕の場合、どんな言葉を使うか、字幕の長さはどれくらいかを考えます。吹き替えの場合は、キャラクターの話し方、話すときの動きなどを考慮します。

ーローカライズ版をリリースした後は?

ゲームによっては、アップデートが定期的に行われることもあります。ゲームにもよりますが、毎週アップデートされるゲームもあれば、シーズンごとに行われる場合もあります。

こうしたアップデート分のローカライズは、先ほどお話ししたプロセスとは、少し違う方法で行います。事前にこうしたアップデートが起こることがわかっている場合、ローカライズツールと、お客様の開発システムを連携することができます。そうすると、ツールに文字列を直接送るだけで、自動的にローカライズが開始されます。

通常であれば、私のようなローカライズマネージャーがファイルを受け取って、お客様に翻訳した文字列を送る、という流れがあるのですが。ツールを使うと、こうした手順を省くことができます。

またアップデートに伴い、アプリストアの情報を変更したり、SNSにのせるコンテンツを翻訳したいといった要望もあります。そうした場合には、弊社が提供しているオンライン翻訳ツールの活用いただくこともあります。こちらのツールだと、ローカライズよりも安く、早く翻訳できます。


 

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