Alconostについて
Alconostのサービスは、「IT企業の海外展開を支援する」というミッションに基づいて、翻訳・ローカライズサービスのほか、多言語での動画制作、マーケティング・広告運用など幅広いサービスを提供しています。
これまで、個人開発者から、マイクロソフト、カスペルスキー、バイトダンスといった世界のトップブランド企業まで、幅広いクライアントから支持をいただき、合わせて1,500以上のローカライズプロジェクトや1,000本以上の動画制作サービスなどを提供してきました。
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ローカライズは製品の成長と発展に役立ちます。 企業がローカライズが必要な場面に到達した場合、そこが成長点であると言えます。 Anna ZanevskayaとStas Kharevichの両名がローカライズと品質管理の手法についてお伝えします。
StasとAnnaはAlconostのローカライズ部門でチームリードを務めています。 二人はプロセスの品質改善とローカライズ担当者チームの監督を担当しています。
ローカライズが必要になる場面
ローカライズは製品ライフサイクルのさまざまな段階で必要になる可能性があります。 製品が市場にリリースされたばかりの段階もあれば、 すでに製品が流通している段階で、既存ユーザーに加えて新規ユーザーのさらなる獲得と新しいロケールへの対応を必要としている場合もあるでしょう。
企業は自社製品をローカライズする目的で翻訳者を自前で採用する場合もあれば、営業チーム、地域担当者、マーケティング担当者などの従業員に翻訳を委ねる場合もあります。 しかし、ローカライズは特殊な作業であり、専門知識を必要とする重要なプロセスであることを認識しておく必要があります。
また、あまり一般的でない言語(ベンガル語、マラーティー語、ビルマ語などの無数の言語)にローカライズする場合、翻訳者を発掘するのは頭痛の種となるでしょう。 当然ながら、最初に翻訳した人の作業をチェックするため、その言語のネイティブスピーカーが別途必要になります。その人の発掘とテストも必要になるのです。
このような場合は、プロによるローカライズサービスを提供する会社が役に立ちます。
このような会社の典型的な取引先は、モバイルアプリのような製品を擁する中規模のIT企業です。 そのような企業は自社製品を新市場で販売することを決めた場合、さらなる開発投資が必要になり、ローカライズサービスの提供先を探すことになります。
ローカライズチームの概要
効果的なローカライズとは、最小限の追加コストで時間内に完了する質の高い翻訳のことです。 それを実現するには優秀なチームが必要です。 私たちのローカライズチームには以下のメンバーが在籍しています。
ローカライズ担当者は、ローカライズのプロセスとお客様とのやりとりを担っています。 ローカライズ担当者は「一人二役」をこなしており、言語経験を生かしながらプロジェクト担当者の役割を果たしています。 私たちは経験上、この組み合わせはローカライズ担当者にとって不可欠なものだと認識しています。
ベンダー担当者は新しい翻訳者の選定とテストを行い、テストの合格者に当社のプロジェクトで仕事をするためのトレーニングを施します。 非常に優秀な翻訳者を選定するのが楽になるため、ベンダー担当者がチームに在籍していることはかなり大きなメリットだと考えています。
現在、当社では24名の担当者が500名以上の翻訳者とやりとりを行っています。
ローカライズプロセスの各段階
ローカライズプロセスはどの会社でもほぼ同じです。 ローカライズプロセスを規定するISO 17100という規格があり、Alconostはその認証を取得しています。 このプロセスに従い、プロジェクトに関連するあらゆる情報が体系化される作業前の準備段階のようなものがあります。 この準備段階では、あらゆる情報の収集、用語集の作成、専用翻訳プラットフォームへのプロジェクトのセットアップなどが行われます。
その後、翻訳の段階に進みます。 この段階では背景情報に格別の注意を払い、必要に応じてお客様に質問をして不明点を明確にします。 この段階を締めくくる際には、翻訳の校正を行います。 第3段階は対象国内でのレビューです。 この段階ではローカライズが行われた地域のユーザーからフィードバックを受け取り、それを分析し、必要に応じて既存の翻訳を改良し、将来のためにルールや推奨事項を作成します。
お客様にはローカライズの流れがこのように見えています。 しかし、私たちは翻訳者の選定段階から関わっていますので、プロセスの開始点が若干異なっています。
翻訳者との関わり
ベンダー担当者は翻訳者の選定を担っています。 LinkedInから専用プラットフォームまで、さまざまな情報源から翻訳者の履歴書を調べ、収集しています。 私たちが必要としているのは、目的とする言語のネイティブスピーカーであり、言語学の教育を受けた経験があり、特定分野での翻訳実績を持つ翻訳者です。
通常、私たちは新しい翻訳者にソフトウェア、観光、マーケティングといった最も得意とする対象分野を挙げるように依頼しています。 このような対象分野はそこまで多くはなく、通常は主なものが3つと追加でいくつかある程度です。 たとえばある翻訳者がゲームを専門としている場合、その翻訳者に法律文書の翻訳を任せることはありません。
私たちはシンプルながらも効果的な翻訳者のオンボーディングシステムを採用しており、翻訳者はGoogleフォームとTrelloのボードでチュートリアルを段階的に進めています。また、新しい翻訳者にはオンボーディングプロセスのさまざまな段階で説明を送っています。 私たちは経験上、情報を適度に提供することで、翻訳者が段階的かつ高い品質で作業できるようになることを知っています。
過去に取り扱った経験がない言語の候補者による作業の品質をチェックする方法
希少言語に関しては、その言語を過去に取り扱った経験がない場合は品質管理が困難になります。 このような場合は履歴書を収集し、私たちの要件を合う3名から4名の翻訳者と連絡を取っています。 その後はテスト課題を割り当て、翻訳者同士に互いの翻訳結果をレビューさせています。 翻訳者同士の意見が合わない場合は、さらに別の翻訳者にレビューを依頼し、それぞれが自身の翻訳についてどのような説明をしているかを調べてもらっています。
採用決定に影響する3つの主な基準
私たちの要件に合う翻訳者であるかどうかを判断する基準は次のようにいくつか存在します。
ここではベンダー担当者とローカライズ担当者の経験が重要な役割を果たしています。 その後は翻訳者とやりとりをしながら、ベンダー担当者とローカライズ担当者からのフィードバックに加えて、お客様の意見を参考にしています。
ローカライズのモデルとその機能
会社がローカライズサービスを提供する際に使用している2つの基本的なモデルがあります。
1つはいわゆる3ステップ、あるいはTEP(翻訳・編集・校正)と呼ばれているものです。 このモデルでは最初に翻訳を行い、次に編集を行い、最後に校正を行うため、3人の作業者が必要です。 このモデルは責任の分散という点では複雑になる可能性があり、どのメンバーも結果に対して100%の責任を持たず、全員が一丸となって責任を持つチームが必要になります。
私たちはそれとは異なり、1人の翻訳者がプロセス全体に対応するモデルを採用しています。その翻訳者が背景情報やトピックを詳細に調べ、お客様に質問をするのです。 翻訳者は翻訳を完了した後、それを校正し、品質チェックを別途行い、お客様からのフィードバックに対処します。
また、アルコノストでは補足的な作業として、あるいは完成済みの翻訳を校正する必要が生じた場合にのみご注文いただける校正サービスを提供しています。
私たちがこのモデルに落ち着いている理由は、1人の人間が全体のプロセスと自分の仕事の結果に全責任を持つほうが効率的だと考えているからです。 また、そのような翻訳者には当然ながら高い要求をしています(それに応じた支払いもしています)。
このような社内の動きについてはお客様から代金をいただいていません。
一方のモデルが他方よりも優れているとは言いません。 私たちのモデルは翻訳者に高いレベルの責任を要求し、厳格な品質管理を必要としていますが、平均TQIが98%超という非常に高い効率を実現できています(後で詳述します)。 一方、3ステップのモデルでは各ステップで非常に有能な専門家が選ばれるため、この場合もやはり効果的だと言えます。
これまでの経験上、お客様が社内に自前のローカライズ部門を用意するほうが当社と協業するよりもコストが高くつくことが分かっています。 私たちは全プロセスの微調整とチームの体制作りを終えていますので、あらゆるプロジェクトや言語に合わせてプロセスを容易に調整できます。 また、繰り返しになりますが、翻訳者とやりとりをしながら翻訳の質を監視するベンダー管理部門も擁しています。
プロセスの自動化と翻訳品質の追跡
当社は製品開発会社として始まったこともあり、ローカライズの管理と品質管理プロセスを自動化するAlphaという独自の便利なプラットフォームを構築しています。
Alphaでの業務は非常に快適ですし、新しい種類の仕事に合わせて機能を強化できるのも素晴らしいと思います。 現在、このプラットフォームでは以下の業務に対応できます。
すべてが自動化され、チーム全体の動きが透明化されるほか、AlphaにはSlackとの統合機能もあります。 プロジェクトトラッカーの機能もあるため、翻訳者がタスクを受け付けた時間を確認したり、そのタスクを追跡して常にお客様と最新の状況を伝えたりできます。
担当者は翻訳者のすべての履歴を確認できます。翻訳者のTQI、他の担当者からのコメント、過去に犯したミス、最後の監査結果、翻訳者に対する分析、推奨される対象分野などがそうですね。
Alphaは社内のプロセスのみに使用しています。 一方、お客様との連絡にはプロジェクトとその期間に応じてCrowdinプラットフォーム、Slack、TrelloまたはJiraを使用しています。 私たちはお客様が最も快適な方法で柔軟に連絡を取っています。
ローカライズ品質に関して言えば、私たちが現時点で利用できる中では最も効率的なモデルに入るMQM(Multidimensional Quality Metrics)を採用していることもお伝えしておかなければなりません。 このモデルには、最も重要なパラメーターを必要に応じて調整できる柔軟性があります。
品質管理の頻度はAlphaで定められています。 そのため、ある翻訳者を監査すべき時期が来たら通知が届く仕組みになっています。 ただし、ベンダー担当者が必要に応じてより高い頻度で監査を実施する場合もあります。
TQIの定義とその算出方法
TQI(翻訳品質指標)は翻訳者の仕事の品質を評価するものです。 私たちは品質管理システムを利用して各翻訳者のTQIを常に追跡しています。 具体的な方法ですが、まずは翻訳者が実際に携わったプロジェクトの中から250ワードから300ワード程度のテキストを抜き出します。 そのテキストを専用のプラットフォームに読み込み、品質指数の高いレビュアーを割り当てます。その後、そのレビュアーが翻訳をチェックしています。 私たちはこのようにTQIを算出することで、翻訳者の仕事の品質を評価しています。
この仕組みは、新しい翻訳者のテスト課題をチェックする目的でも使用されています。
私たちはエラーに関する要件、つまりは重大度をそのプラットフォームに読み込んでいます。 TQIに対するアプローチは会社によってさまざまです。 Alconostでは98%以上を合格レベルとしていますが、これはかなり高い数値です。 私たちは翻訳品質がそのレベルを下回ることのないようにしています。
翻訳品質が低下し始めた場合の対応
時にはTQIが低下 する場合もあります。 翻訳者は人間であるため、どうにもならない状況が発生することはあります。 ローカライズ担当者はこのような状況を注視しながら解決策を提示しています。
翻訳者が単に休暇を取りたいか、仕事が集中するのを避けたい時期がある場合もあれば、より多くのトレーニングを必要としている場合もあります。 社内には翻訳者向けのコーチングシステムもあります。 このシステムでは、オンボーディングの場合と同様にGoogleフォームとTrelloカードを使用しています。 Crowdinや時間管理スキルのトレーニングが必要な場合は、そのような機会を提供するようにしています。
品質以外に評価しているもの
私たちはNPSという指標を追跡しています。 TQIが個別の翻訳者に特化しているのに対し、NPS(ネットプロモータースコア)はお客様が当社をサービスプロバイダーとして見た場合の満足度を示すものです。
お客様はプロジェクトが完了するたびに当社との関係に対する満足度にスコアを付け、コミュニケーション、品質、ローカライズ担当者の仕事を評価しています。
大規模ローカライズプロジェクトを管理する際のライフハック3選
プロジェクトが大規模かつ複雑な場合は、複数のローカライズ担当者を割り当てています。 また、言語、役割、または各人が担当する個々のステップ(翻訳、更新、言語テスト、内部品質管理)によって担当者間で作業を分担しています。
ローカライズ担当者は対応可能な時間帯に応じて割り当てられる場合があります。 午前中に仕事をするほうが楽な担当者もいれば、お客様と時差がある担当者もいるからです。 そうすることで柔軟性が増し、誰もが健康的なワークライフバランスを維持できます。また、お客様は常に担当者と連絡できることに満足しています。
あるプロジェクトでは最大4名の担当者が対応しています。
私たちは毎月、あるいは必要に応じてお客様と電話会議を行い、計画をすり合わせています。 これは当社がお客様のニーズを発見し、お客様が当社とそのプロセスを深く理解するのに役立っています。 多くの場合、お客様はAlconostの品質管理に高い関心を寄せています。 お客様は専門知識に対する支出が妥当であるかどうかを知りたがっているのです。
ローカライズの他の側面や弊社のプロセスの詳細にご興味がありましたら、いつでもお問い合わせください。 できるだけ多くの企業が高品質な自社製品のローカライズを実現し、成長と発展を遂げられることを望んでいます。
サービス内容、料金などお気軽にご相談ください。担当者が24時間以内に折り返しご連絡します。
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