ゲームのローカライズは、海外市場で成功するために欠かせない要素です。しかし、どのゲーム翻訳会社を選ぶべきか迷っている方も多いかと思います。本記事では、おすすめのゲーム翻訳会社を比較し、それぞれの特徴やメリットについて詳しくご紹介します。
ゲーム翻訳を依頼する際に気をつけたいのが、ゲーム翻訳は通常の翻訳とは少し異なる点です。
文書であればテキストを翻訳するだけですが、ゲームの場合は翻訳したテキストが実際にどのようにインターフェイス上で見えるか、ゲーム内のシーンや機能と訳文が連動しているか、といった点を確認する必要があります。こうしたローカライズ版の最終チェックを行うサービスをLQAと呼び、ゲームのローカライズ品質を高めるには、LQAが欠かせません。
また場合によっては、ゲーム内容やキャラクターを展開先の国に合わせて、変更する必要もあります。例えば、国によっては、お酒や体の露出、特定の罵り言葉がタブーである文化もあります。そうした場合には、キャラクターの服装やアイテム、表現などを逐一その国の習慣に適した形で置き換えていく、ローカライズが必要となります。
ゲーム翻訳サービスの料金には、プロジェクトマネジメント費用や翻訳管理ツール設定など、通常の翻訳には含まれないサービスが含まれている場合もあります。そのため、通常の翻訳料金と比べると、ローカライズ料金は比較的高めになる傾向があります。
また、納期が迫っている場合に、急ぎ対応が可能なのか、急ぎ対応には追加料金が発生するのかなど、柔軟な対応が可能か、ということもチェックしておくと良いでしょう。
1.Alconost(アルコノスト)
世界でのゲームローカライズ実績多数。ゲームアプリに強い会社
Alconostは、アメリカに本社を置くゲームローカライズ企業で、ゲームローカライズ、LQA、動画制作などを手がけており、製品ローカライズからプロモーション素材の翻訳などを依頼することが可能です。
Alconostのゲーム翻訳サービスは、以下のような特徴があります。
・ゲーム翻訳経験が豊富な翻訳者によるクリエイティブな表現
・ゲームの特性に合わせた継続的なローカライズの提供
・ニーズに合わせた柔軟な対応と開発者視点のサポート
20年以上の業界実績があるAlconostは、世界中の企業にローカライズサービスを提供しており、海外の大手ゲームデベロッパーから、インディーゲームまで規模を問わず、2,000タイトル以上の実績があります。
確実に高い品質でローカライズをしたい、長期的に多言語展開を考えているという方には、Alconostのゲームローカライズサービスがおすすめです。
サービス内容
ゲームローカライズ、LQA、音声の吹き替え、プロモーション素材(動画、画像等)の翻訳、海外向け動画制作
対応言語数
英語、中国語(簡体字・繁体字)などを含む100以上の言語。地域や国に応じた方言翻訳にも対応。
対応プラットフォーム
iOS、Android、PC、VR、Steam、Microsoftなど
アプリ翻訳実績
ルインズメイガス(CharacterBank)
ミニミニ農園(CoffeeBreak)
ミニゴルフ100+(わさびアプリケーションズ)
ソネット・オブ・ウィザード(テクノクロノス)
IQダンジョン-謎解きRPG(Hirameku)
2.ハチノヨン
AAAタイトルなど日英ゲームローカライズで実績多数
ハチノヨンは、渋谷に拠点を置き、ゲームの開発から、ローカライズ、パブリッシングまでをワンストップで手がける会社です。
ハチノヨンのゲーム翻訳サービスは、以下のような特徴があります。
・高いクオリティマネジメント
・クリエイターの意に最大限沿う形でのローカライズ
・ニーズや要望に合わせた柔軟なローカライズプロセスの提案
2005年の創業以来、ハチノヨンはAAAタイトルを含めたコンソールゲームを中心としたローカライズで、200近くの実績があります。その品質評価は業界内でも高く評価されています。
サービス内容
ゲームローカライズ
対応言語数
日本語、英語
対応プラットフォーム
PC、PS、Switch、XBOX、Wii Uなど
ゲーム翻訳実績
ファイアーエムブレム無双 風花雪月(任天堂)
すすめ!! まもって騎士 姫の突撃セレナーデ(エインシャント)
HADES(Supergiant Games)
Little Nightmares 2(バンダイナムコゲームス)
モンスターハンター:ワールド(カプコン)
3.デジタルハーツ
AAAタイトルを中心に手がけるデバッグに強い会社
デジタルハーツはLQA、ローカライズ、ユーザーレビューなど幅広いワンストップのローカライズサービスを展開しています。
デジタルハーツのゲーム翻訳サービスは、以下のような特徴があります。
・ゲーム翻訳者のスペシャリストによる翻訳
・翻訳作業は全て日本国内で対応。即時のコミュニケーションが可能
・QA、LQAなどローカライズ版の品質を高めるサービスも提供
2001年にデバッグの専門企業として設立したデジタルハーツは、デバッグサービスで、豊富な実績を持っています。AAAタイトルはもちろんのこと、売上トップ100の家庭用ゲームで、デジタルハーツがデバッグを手がけたタイトルの割合は、8年連続でトップを誇っています。
サービス内容
ゲームローカライズ、デバッグ、カスタマーサポート、海外進出支援
対応言語
簡体字、繁体字、韓国語、英語など
対応プラットフォーム
PC、iOS、Android、Steam、PS5、Microsoftなど
ゲーム翻訳実績
Pokémon UNITE(ポケモン)
FORSPOKEN(スクウェア・エニックス)
4.ミエトランスレーションサービス
中華圏での豊富な実績とノウハウが強み
ミエトランスレーションサービスは、台湾、香港、中国にオフィスを構え、簡体字と繁体字に精通した中国語専門の翻訳会社です。
ミエトランスレーションサービスのゲーム翻訳サービスは、以下のような特徴があります。
・キャラクターの魅力や世界観を中国語で自然に表現
・丁寧なリサーチと表現管理
・地域性を踏まえた表現でプレイヤーがゲームに没頭できるUI翻訳に
ミエトランスレーションサービスは、中国語ゲームローカライズにおいて15年以上の実績があり、日本、台湾、中国など200近くのタイトルにローカライズサービスを提供しています。
サービス内容
ゲームローカライズ、LQA
対応言語
簡体字、繁体字
対応プラットフォーム
PS4、Switch、Steam、iOS、Androidなど
ゲーム翻訳実績
白猫プロジェクト(台湾So-net)
クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ(台湾So-net)
三国群英伝8(USERJOY Technology)
リディー&スールのアトリエ(コーエーテクモゲームス)
5.アクティブゲーミングメディア
日本初のゲーム翻訳専門会社としての高いノウハウ
アクティブゲーミングメディアは、ゲームローカライズだけでなく、リリースに向けた開発サポートや、多言語でのカスタマーサポートなど海外進出を考えている企業向けに、ワンストップソリューションを提供しています。
アクティブゲーミングメディアのゲーム翻訳サービスは、以下のような特徴があります。
・ゲーム開発者に寄り添った柔軟な対応
・原作言語のゲーム世界観を多言語でもそのまま実現
・業界歴10年以上で培った確固たるローカライズプロセス
アクティブゲーミングメディアは、日本初のゲーム翻訳専門会社として2008年に設立して以降、3,000以上のゲームを多言語化してきた豊富な実績があります。
サービス内容
ゲームローカライズ、LQA、ゲーム移植、音声収録、字幕翻訳
対応言語
英語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語、スペイン語、フランス語を含む約20言語
対応プラットフォーム
iOS、Android、Switch、Microsoft、Steam、PS4、PS5
ゲーム翻訳実績
ソリティ馬 Ride On!(ゲームフリーク)
LOOPERS(ビジュアルアーツ)
新日本プロレスSTRONG SPIRITS(ドリコム)
二ノ国Ⅱ レヴァナントキングダム(レベルファイブ)
ここまで、おすすめのゲーム翻訳会社を5つ比較しながら紹介しました。最後に、ゲーム翻訳に関してよくある質問をまとめたので、参考にしてみてください。
LQAは、Localization Quality Assuaranceの略で、言語品質保証とも呼ばれます。LQAでは、翻訳テキストを実際のプロダクトに入れ込み、画面上でのテキストの収まり具合、製品全体の翻訳の一貫性、翻訳先言語の文化や習慣から見て問題ないか、といったことを確認します。
DeepLなど機械翻訳の精度も高まっていますが、ゲームでは高いクリエイティビティや世界観の維持が重要なため、機械翻訳はおすすめしません。特にストーリー性やキャラクターの個性が重要となるゲームの場合は、人間の翻訳者による丁寧な翻訳を行うことをおすすめします。
ゲームのジャンルやゲームの目標(ダウンロード数を増やすのか、収益を上げるのか)によっても異なります。将来的に多言語に展開する場合には、依頼する会社が希望する言語でのサービスを行っているかをチェックすると良いでしょう。1つの会社に任せた方が、作業効率もよく一貫性のある翻訳になります。
翻訳料金は、基本的に文字数×翻訳単価で決まります。ただし、文字数や重複表現に応じた割引を提供している会社もあるので、正確な料金は各社に問い合わせる必要があります。また、料金に含まれるサービスもその際に確認すると良いでしょう。