アプリのローカライズは、海外展開で成功するために欠かせない要素です。しかし、どのアプリ翻訳会社を選ぶべきか迷っている方も多いかと思います。本記事では、おすすめのアプリ翻訳会社を比較し、それぞれの特徴やメリットについて詳しくご紹介します。
アプリ翻訳を依頼する際に気をつけたいのが、アプリ翻訳は通常の翻訳とは少し異なります。
文書であればテキストを翻訳するだけですが、アプリの場合は翻訳したテキストが実際にどのようにインターフェイス上で見えるか、アプリ機能とテキスト内容が連動しているか、といった点を確認する必要があります。こうしたUIチェックを行う作業をLQAと呼び、アプリのローカライズ品質を高めるには、LQAが欠かせません。
また場合によっては、アプリ内の画像や音声を展開先の国に合わせて変更する必要もあるでしょう。そうした際に、マルチメディアでの翻訳に対応している会社に一括で依頼することで、より一貫性のあるローカライズに仕上げることができます。
日本翻訳連盟によれば、日本には翻訳会社が2,500社以上存在すると言われています。しかし、アプリの翻訳に対応している企業となると、その数は両手で数えるほどです。そのため、比較ポイントを抑えておけば、会社選びはそれほど複雑ではありません。
またローカライズ料金には、プロジェクトマネジメント費用や翻訳管理ツール設定など、通常の翻訳には含まれないサービスが含まれている場合もあります。そのため、通常の翻訳料金と比べると、ローカライズ料金は比較的高めである傾向があります。
また、納期が迫っている場合に、急ぎ対応が可能なのか、急ぎ対応には追加料金が発生するのかなど、柔軟な対応が可能か、ということもチェックしておきたい点です。
Alconostは、アプリやゲームなどデジタルコンテンツのローカライズに特化した翻訳サービスを提供しています。翻訳品質の国際規格であるISO認証を受けており、クリエイティブや専門性の高い翻訳に定評があります。
Alconostのアプリ翻訳サービスは、以下のような特徴があります。
・アプリ翻訳経験が豊富なスタッフと翻訳者が多数在籍
・アプリの特性に合わせた継続的なローカライズの提供
・業界水準よりも高い徹底した品質管理
20年以上の業界実績があるAlconostは、世界中の企業にローカライズサービスを提供しており、TikTokやマイクソフト、Googleといった企業が運営するアプリから、個人開発者によるアプリまで幅広いアプリのローカライズを手掛けています。
確実に高い品質で翻訳をしたい、多言語展開を今後も考えているという方には、Alconostのローカライズサービスがおすすめです。
対応言語数
100以上の言語
アプリ翻訳実績一例
TikTok(ByteDance)
LOVOT(GROOVE X)
レイミーのAI害虫雑草診断(日本農薬)
IQダンジョン-謎解きRPG(Hirameku)
関連サービス
・LQA
・ローカライズツールCrowdinの無償導入サポート
・海外向けのアプリプロモーション動画制作
・アプリストア向けのテキスト翻訳
・音声・動画のローカライズ
おすすめのアプリ翻訳会社2:クリムゾンジャパン
クリムゾンジャパンは、高品質なアプリ翻訳とローカライズのプロフェッショナル集団です。多様な業界に対応し、クライアントのニーズに合わせた翻訳サービスを提供しています。
クリムゾンジャパンのアプリ翻訳サービスは、以下のような特徴があります。
・翻訳管理ソフトを使ったワークフローの自動化
・ネイティブ翻訳者による高い品質の翻訳
・24時間365日のサポート体制
2008年に創業したクリムゾンジャパンでは、豊富なローカライズのノウハウをもとに、ワンストップのアプリローカライズサービスを提供しています。特にきめ細やかなサポートとや運営体制により、高い翻訳品質に定評があります。
対応言語数
50以上の言語
アプリ翻訳実績一例
株式会社いなば園
NISEKO MEDIA株式会社
関連サービス
・LQA
・Githubとの連携
・ASO(アプリストア最適化)のコンサルティング
・音声・動画のローカライズ
WOVNは、Webサイトやアプリにスクリプトを追加することで、自動的に多言語版を生成するツールを提供する会社です。先のAlconostやクリムゾンジャパンと大きく違うのは、自動翻訳を主に活用し、開発や翻訳作業にかけるコストや時間を大幅に削減する、という点にあります。
WOVNのアプリローカライズサービスは、以下のような特徴があります。
・アプリにSDKを導入するだけですぐに多言語化が可能
・専門知識がなくても誰でもアプリ翻訳の作業・確認が行える
・品質を重視する場合は人力翻訳のオプションもあり
2014年に創業し、WOVNのツールは世界で2万近くのWebサイトに導入されています。手軽にサイトやアプリを多言語化でき、インバウンド向けのノウハウも充実しているため、特に大規模サイトを運営している国内の大手企業に定評があります。
コストを抑えて、手軽にアプリを多言語化したいという方には、WOVNの多言語化ツールがおすすめです。
対応言語数
43言語
アプリ翻訳実績一例
ヒルズアプリ(森ビル)
SOTETSU HOTELS CLUB(相鉄ホテルマネジメント)
関連サービス
・ツールの技術的サポート
このように比較すると、アプリテキストを翻訳することに関してはほぼ同じなのに対し、翻訳以外の関連サービスや対応言語数に違いがあることがわかります。
アプリ翻訳の専門性や実績を重視するならAlconost、サポートや品質を重視するならクリムゾンジャパン、コストを抑えて多言語化するならWOVNと、ニーズに合わせて選ぶと良いでしょう。
ここまで、おすすめのアプリ翻訳会社を3つ比較しながら紹介しました。最後に、アプリ翻訳に関してよくある質問をまとめたので、参考にしてみてください。
LQAは、Localization Quality Assuaranceの略で、言語品質保証とも呼ばれます。LQAでは、翻訳テキストを実際のプロダクトに入れ込み、画面上でのテキストの収まり具合、製品全体の翻訳の一貫性、翻訳先言語の文化や習慣から見て問題ないか、といったことを確認します。
DeepLなど機械翻訳の精度も高まっていますが、アプリのように機能やUIコンテキストに基づく翻訳が必要な場合にはおすすめしません。特にストーリー性や専門性の高いアプリの場合は、人間によるしっかりとした翻訳を行うことをおすすめします。
アプリのジャンルやアプリの目標(ダウンロード数を増やすのか、収益を上げるのか)によっても異なります。将来的に多言語に展開する場合には、依頼する会社が希望する言語でのサービスを行っているかをチェックすると良いでしょう。1つの会社に任せた方が、作業効率もよく一貫性のある翻訳になります。
関連記事:どの言語に翻訳すべき?アプリローカライズで翻訳すべき言語ランキング
翻訳料金は、基本的に文字数×翻訳単価で決まります。ただし、文字数や重複表現に応じた割引を提供している会社もあるので、正確な料金は各社に問い合わせる必要があります。また、料金に含まれるサービスもその際に確認すると良いでしょう。